2007年02月25日
スカイスクレイパー

クランキングをメインのひとつにしている私にとって、クランキングロッドというのは避けては通れないタックルの要素である。
いわく、ノリがよく、遠投が利き、根ガカリを回避しやすいという、いわゆるクランクを引くロッドとしてよく挙げられる利点をクリアしているロッド、要するに長めのグラスロッドになるのだが、それを愛用している。
ところが、野池の陸っぱりメインの私の場合はそれでもよいのだけれど、先日だだっ広いハマの立ち込みをメインにしている友人と電話で話していて、驚くことがあった。
一概には言えないものの、魚が少なくなり反面、個体が大型化している今、並のグラスで遠投したのでは魚が口を使ってくれるところでクランクを引けない、というのだ。
クランクというルアーは当然、リップの角度によって水中深くに潜ってゆく。
一番そのクランクに適したアクションとアピールをする深度をずっとトレースできれば良いのだが、釣り人が水面よりの上からルアーを引く以上はその夢は叶わない。これは当たり前のことだ。
となると、少しでも有効なアクションを持続させようと考えれば考えるほど、遠投が必要となる。
で、友人の言葉を借りれば、最近はその時間を長くしてやらないとクランクを食うことが少なくなったというのだ。これはボートでの釣りも同様だと言う。

エバーグリーン(EVERGREEN) テムジン TMJC-711M スカイスクレイパー
物理的に、7フィートの竿では届かない領域に向かうため、友人が選んだのが摩天楼。
テレスコピック好きなので運びやすくはなっているとはいえ、恐ろしく長い。確かに野池の陸っぱりではお世話になることは皆無に等しい竿だ。
ボートでのディープダイバーを考慮して開発された竿ながら、ハマの立ち込みなんかでは小型のクランクでもしっかりと反発力に乗せて遠投できるクランキングロッドで、はるか彼方での巻き抵抗を少なくするために敢えてカーボンを採用。そのくせに重いという(笑)。
そのためレンジコントロールや掛ける操作性は使用者に要求されるので、グラス特有のオートフッキングみたいなノリは期待できない。完全にMT車みたいなクランキングロッドだ。
正直、こんなキワモノを使ってまでクランクで釣らなくても、他にもっとラクに魚を釣る方法もあると思う。
それでもやっぱり、クランクでデカイのを食わせたいという執念、気持ちがよく分かる。
琵琶湖が遠いので私には縁がないけれど、こういうロッドを求めるところが釣り人の、釣り好きたる所以なんだろうな。